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2016年3月8日火曜日

日本の会社員を辞めて、カナダで正社員になるまでの道のりとノウハウ


前から働いていたNPO団体での試用期間が解けて、今月から晴れて正社員になりました。ってな訳で、カナダで就職したい人のヒントになるよう、これまでの道のりと私が就活を通して感じたポイントを紹介します。

この記事は私の経験をベースにしているため、カナダで
・永住権や長期ビザに繋がるオフィス系の仕事の取得を目指している or
・帰国後のキャリアに繋がる仕事がしたい
人向けに書いています。
(基礎的な就活の話は【カナダ就活編】カナダで仕事を探す。概要と探し方を)

トロントに長期でいると、「君みたいな日本人は珍しいね、みんなすぐ帰っちゃうのに」と言われます。そう、トロントに来る日本人はワーホリで数ヶ月語学学校に行って、カフェやレストランでバイトしながら旅行して1年で帰るというパターンが多いんです。

そんな文字通りのワーキングホリデーもありだけど、高スキルなキャリア経験の方がカナダコミュニティにガッツリ入れて今後ビザや永住権が認められる可能性が広がる訳で。特に、日本で職歴があったり特別な技術を持っている人!そんな人はぜひそのスキルを生かしてほしいなと思っています。

ちなみに「オフィス系の」というのは、美容師さんや料理人などのサービス業を目指している方は動き方が異なり、おそらく参考にならないためです。


NPO団体の職員(正社員)になるまでの道のり


ここまでの道のりを簡単に紹介すると、
バックグラウンド:
・ニュージーランドの高校に3年間通い、卒業
・大学は日本に戻り、社会学・メディア専攻
・新卒で大手広告会社へ入社、SP、印刷、デジタル分野で企画&制作管理を3年半
・働きながら専門学校でグラフィックデザインを学習
・社会人2年目から留学準備を始め、Institute without Boundariesを受験、合格

2014年
・8月 会社を辞めてカナダへ〜IwBでの研究スタート

2015年
・6月 IwB卒業→2〜3週間ほどIwBで編集のバイト
・7月 本格的に就活スタート→とあるNPOとフリーランスで仕事をしながら、別のNPO2つでボランティア。他、レジュメを送ったり面接を受けたり。
・9月 今の団体と仕事をし始める

2016年
・1月 試用期間で社員登用
・3月 フルタイム・パーマネントの正社員に
(追記:8月に転職しました


正社員として採用されるまでに学んだこと


結論としてカナダで就職するにあたって必要だと感じたことは、以下の通り。
1. ネットワークを築く・広げる
2. コミュニティに属する
3. とにかく内部に入ってしまう
4. 専門技術・資格を持つ
5. 見せられる実績を作る
備考1:有名大学はやはり得、技術系ならさらに強い
備考2:ビザはきちんと計画せよ


1. ネットワークを築く・広げる


カナダはネットワーク社会です。日本ではマイナビやリクナビを使って就活し大企業への新卒入社した私ですが、こちらでは意識的にネットワークを広げました。なぜネットワーキングが重要か?やそのコツについてはこの辺の記事を。
【カナダ就活編】カナダの就活はネットワーキングが鍵
【カナダ就活編】営業トークをしないネットワーキング


2. コミュニティに属する


これも広義の意味でのネットワーキング。これだけで別記事書けるぐらい本当にやってよかったことで、「自分の目指す業界・業種の人たちが集まるコミュニティに属する」のがオススメです。私はNPOで働きたいというのがハッキリしてから、NPOコミュニティ2つでボランティアをしながら知識と人脈を得ました。ここで知り合ったフリーランスのクライアントとは今も仕事をしているし、今の就職先とも、ここを通して繋がりました。

別に、ボランティアである必要はありません。趣味関連のコミュニティで仕事が見つかった、なんて人もいます。ネットワーキングイベントは沢山の人と一度に知り合えるメリットがあるけれど、時間をかけてお互いをよく知れる「コミュニティ」はより深く強いネットワークが作りやすいです。


3. とにかく内部に入ってしまう


これはカナダ就活で一番役に立った考え方。実は就活前にもこのアドバイスを受けたことがありました。でも、一年間無収入の学生をしていた私は、full time・permanentの仕事に早く就かなきゃと焦っていました。「そんなこと言われてもお金ないねん」状態です。ネットワーキングやインフォメーションインタビュー(≒OB訪問)を通して分かったのは、いきなり正社員採用を狙うよりも内部に入り込んでから上がる方が確率が高いということ。

私も、今の職場とは元々はフリーランスから始まり
・単発デザインワーク(フライヤー1枚制作)
・フリーデザイナー契約(1年更新)
・社員登用(試用期間、デザイン&広報就任)
・正社員
と立場も任される仕事も発展しました。

最初は就活中の小遣い稼ぎのつもりだったのが、CEOに気に入ってもらえて長期契約に。その後移住のためにフルタイムの仕事を探していると伝え、試用期間を設けて社員登用してもらえることになったのです。

最初の単発デザインも、上述のボランティアがきっかけでもらえた仕事。遠回りに見えるけれど、インターンやボランティア、パートタイムから始めて認めてもらうというのは案外こちらでは近道になります。


4. 専門技術・資格を持つ


やっぱり技術系は強い!広報や営業のようなポジションだと、英語ネイティブでビザの問題がなく、北米での教育、ビジネスマナー、実務経験を持つカナダ人とレジュメと面接で競争することになります。技術や資格が必要な職種はもともと需要が高いのと、審査においてもスキルが重視されるため、外国人にとってチャンスが大きいです。実際、周りを見ていても文系出身のカナダ人より技術系スキルを持った外国人の方が早く就職が決まっています。

私も海外に住むなら手に職をと、会社終わりに専門学校でグラフィックデザインを学んだのが役立ちました。最初はデザイン職を狙っていた訳ではなかったのですが、ポートフォリオを見せた知り合いに「君は複雑なコンセプトをビジュアルに落とし込んでわかりやすく伝えるのがうまい!」と買われてフリーランスの依頼を受け、その後リサーチ、マーケティング戦略、デザインワークと需要があるままに答えていったらここまで広がりました。私の場合は、前職が広告会社で企画・制作管理だったため、技術一本勝負でもなくソフトとハード両方のスキル・経験を持っていたことに助けられました。

ちなみに「カナダ人との差をつけるという意味では日系企業だとか日本と取引のある企業を狙うと有利」ってよく言いますけど、供給の方が上回っているので、日系の広告で優良なポジションを見つけるのはかなり難しいです。


5. 見せられる実績を作る


カナダは新卒有利ではなく、経験重視の採用方式。少しでも職歴がある方がいいし、カナダ(北米)での経験がより好まれます。ということで、とにかく実績を作っちゃいましょう。

私の場合、カナダでは人気のNPOという分野での就職を目指していたため、積極的にマーケティングやデザインといったポジションで経験を積みました。さらにフリーランス先がカナダ全国規模の有名団体だったためこれも有力な実績に。インターンやパートタイムで経験を積むのは「業界・業種の下地はある」という証にもなります。

また、物理的に見せられる実績があればベター。実際にどんなことをしてきたか見せられるようポートフォリオに力を入れました。ポートフォリオなんてデザイン系だけでしょと思われるかも知れないけど、私の前職は企画&制作管理というソフトスキル職で、IwBでの経験も戦略が中心。どういうニーズがあったからどういう企画提案をした、その結果こういうデザインになった、というコンセプト重視のポートフォリオを作り、レジュメと一緒に送ったり面接に持っていきました。これは前職がイベントプランニングでもウェディングプランナーでも家具職人でもできることです。


備考1:有名大学はやはり得、技術系ならさらに強い


元も子もないような話だけど、有名大学の技術・資格系分野出身は就職が楽です。有名大学はトロントならUniversity of Toronto、コンピュータ・サイエンスやエンジニアリング分野はUniversity of Waterlooも強いです。

ただ、いい大学でも文系はやはり大変そうです。新卒有利な環境でない分この傾向は日本より強く、大学を卒業したあとカレッジで技術を身につける人が多いですね。現地就職重視で留学を考えていて、大学は既に出ているし今更なあ…という人は技術・資格系のカレッジや大学院に通うのがオススメです。


備考2:ビザはきちんと計画せよ


就労ビザを持つのは大前提として、残存期間や次のステップも考えておきましょう。ワーホリビザという贅沢なオープンワークパーミットを最後の切り札にするとか、永住権を目指すならNOCリストの0、A、Bカテゴリーに入っている職種かをチェックすること。※ワーホリビザの話はFrog Agentの玉さんの投稿に詳しく書かれているので参照。

あとは、就職先のビザのサポート体制。移民弁護士の方から「いつでも代わりを雇える大企業より小さい企業で『この人に残ってほしい』と思ってもらえる信頼関係を作った方がサポートを受けやすい」という話を教わったことがあります。これまでに移民サポートをしたことがあるかなども含めて企業リサーチしましょう。


以上!せっかく外国人の私たちにとってもチャンスが多い国だし、カナダコミュニティでキャリアアップする人が増えればいいなと思っています。というか、結構留学エージェント等の話を鵜呑みにしてもったいないことになってる人多い気がしてます。カナダではとにかく自分で積極的に動くことが一番大事!カナダでの働き方や仕事を含めたライフスタイルについても、これから共有していくつもりです。

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