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2016年3月24日木曜日

グッバイ社畜ライフ!カナダで働く:時間とお金の話


カナダで働き出してから約半年が経ちました。今の団体で社員になってから2ヶ月。カナダ(※トロント)の働き方ってどうなんですか?って質問をちょくちょく受けるので、今回は「時間とお金」を切り口にまとめます。

グッバイ社畜ライフ


端的にいうと、そういう感じです。

私はもともと広告会社勤務だったので、忙しい時に夜中まで仕事するのは当たり前でした。広告は18の時からやりたかったし、若い内にそんな働き方をするのは嫌じゃなかったのでかなり楽しませてもらいました。あの会社に入れてクリエイティブでクレイジーな大人に触れられてよかったと思っています。ド派手なレインボーミッキー柄のパーカーを着ていっても上司が笑い飛ばしてくれる寛容な会社でした。

なんでこれを着ていったのか。画像出展

ただ、赤ちゃんが生まれたばかりのパパや小さなお子さんがいる先輩が土日も働いているのを見て、「今はいいけど続けるのは嫌だな」と思っていました。女性に関しては産休・育休に加え短縮労働制度もありましたが、子供が生まれてからも第一線で男性と同じだけ働くというのは難しく、キャリアか家庭の選択を迫られることにずっと違和感がありました。

というのも理由の1つとなりカナダに来た訳です。そんなカナダでの働き方はこんな感じ。

給料は年俸制


フルタイム(正社員)の場合は、年俸制が多いです。年収を決めて、それを12で割ったものが月々入ってきます。契約やパートタイムだと時給の場合も。月2回払いが一般的で、口座に2週間ごとにお金が入ってくるのは地味に嬉しい。

ボーナスはあったりなかったり。私の会社では、毎年査定があって給料が上がります。

定時上がりがデフォ


ホワイトカラーの仕事は9時5時が多いです。こちらではそういう仕事を9-5 (nine-to-five)と言います。全部がそうな訳ではないですよ。業界による傾向はあります。例えばこっちでも広告会社なんかは「定時?何それおいしいの?」って感じですし、日系企業とやりとりしていると、夜10時や土曜日にも当たり前にメール来ます。

IwB(デザインスクール)にいた頃は、「カナダ人も残業するよ!それを期待して来たんならショックを受けるかも」と脅されていたけど、今思えばカナダ人の考える残業は日本人の感覚では残業にすら入っていなかっただけだな、という感じ。あぶねー騙されるとこだったぜ。

うちは17時15分ぐらいにCEOから電話かかってきて「17時過ぎてんのにごめんね!」とか言われるし、TTC(トロントの交通機関)の超絶ラッシュアワーは17時半前後。また、ちょくちょく仕事をしているコワーキングスペースでも、昼間は約50人いるのが18時過ぎたら5人ぐらいになります。

残業代はなし、代わりに代休


給料が年俸制の場合はFixed Rateと言って、残業代は出ないことが多いです。だから定時に帰れるというのもあります。プロジェクトが佳境を迎えている時なんかに残業をすることはあっても、翌日午後休を取ったり、別の日に代休を取ります。
労働の対価はお金ですからね。考えてみればそれがまともです。

有給、傷病休暇は州・会社・契約次第


フルタイム雇用の場合、カナダでは1年に10日の有給を与えることが義務付けられていますCBC)。ただしカナダは州によって規制が異なるので、オンタリオでは基本的に2週間です。

うちは有給年15日、加えて夏にオフィス自体が1週間(土日入れて9日)休みになる時期があり、合計20日+αの休暇が取れます。さらに、Sick Daysと呼ばれる傷病休暇が10日。

ちなみにオンタリオでは、正社員を50人以上雇っている会社には年10日の傷病休暇の付与が義務付けられていますOntario Ministry of Labour)。友人はSick Daysがない会社にいるらしく、病気で有給をほとんど消化してしまった…と嘆いていました。

時間×給料が日本よりいい


同じレベルの同じ職種だと給料はカナダの方が多くもらえる場合が多いです(今度データ付きで話します)。私は前職と業界も職種も違うのであまり比較になりませんが、今の団体に入って1年目で、前職退社前・4年目の残業代やボーナスを含めた年収と同じぐらいもらっています。今年は初年ということを考慮した額で、来年からさらに上がる予定です。

NPOで働いていると言うとよく
一般企業を辞めてNPOなんて、勇気あるね
と言われますが、入ったばかりで既に日本の広告会社4年目の年収をもらっているので自分を犠牲にして世の中のために…みたいなことにはなっていないですよ。

さて、ここで時間という軸を加えてみます。
給料がほぼ同じだと言っても、上に書いたように働いている時間の長さは全然違います。今の労働時間は前職の半分〜2/3くらい。時給に換算すると下手すると倍違うことになります。

物価や生活費の軸は、また改めて。ここでは時間×給料でいうと圧倒的にカナダの方がいいよ、ぐらいに考えてもらえばOKです。

QOLが向上する


時間があるというのは、その時間を使って他のことができるということでもあります。

私はフリーランスの仕事も受けているので仕事終わりに副業もできますし、家でヨガをしたり、映画やギャラリーを見てインスピレーションを受けたり、チュートリアルでスキルアップに繋げたり。有給も消化できるので、年2回ぐらいは長期の旅行にも出られます。

結果、キャリア面以外でも成長する余裕ができ始めたのと、マイコー(うちのゲイハズバンド)とゆっくり晩ご飯を作って食べるなど、人間関係に費やせる時間も増えました。そして単純に、身体をゆっくり休められるので仕事の効率が上がり、ストレスレベルが下がります。もうアラサーなので、毎日7〜8時間以上の睡眠を取るって大事だな…とひしひしと感じます。

子供3人育てながらバリバリ働いている女性も身近にいますし、子供の送り迎えを通勤途中にしているパパもちょくちょく見かけます。男性も女性も17時前後に帰る職場だからできることですね。


と、今回は時間とお金に焦点を置いて紹介しました。

私のように仕事は好きだけどそれだけの生活は嫌、キャリアか家庭か選びたくない、という人には合った働き方で、なかなか楽しんで働いていけそうです。

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